そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

詩の朗読48.かなしみ

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 かなしみ

        谷川俊太郎

 

あの青い空の波の音が聞えるあたりに

何かとんでもないおとし物を

僕はしてきてしまったらしい

 

透明な過去の駅で

遺失物係の前に立ったら

僕は余計に悲しくなってしまった

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読47.こころ

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 こころ

      金子みすゞ

 

おかあさまは

おとなで大きいけれど、

おかあさまの

おこころはちいさい。

 

だって、おかあさまはいいました、

ちいさい私でいっぱいだって。

 

わたしは子どもで

ちいさいけれど、

ちいさいわたしの

こころは大きい。

 

だって、大きいおかあさまで、

まだいっぱいにならないで、

いろんなことをおもうから。

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読46.三月のうた

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 三月のうた

          谷川俊太郎 

 

わたしは花を捨てて行く

ものみな芽吹く三月に

私は道を捨てて行く

子等のかけだす三月に

 

わたしは愛だけを抱いて行く

よろこびとおそれとおまえ

おまえの笑う三月に

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

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