そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

詩の朗読49. 自分を贈る

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 



 自分を贈る

          谷川俊太郎

 

母の日に 花を贈るのを忘れてもいい

母の日には あなた自身を贈ればいい

あなたが誕生した日

母はあなたに世界を贈ってくれた

この世界のどこかでずっと

母はあなたとともに生きている

たとえいま母と不和でも 卑下することはない

あなたはあなたを生きている

母の日には花も言葉もなくていい

これまでもこれからも あなた自身が

かけがえのない贈り物なのだから

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読48.かなしみ

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 かなしみ

        谷川俊太郎

 

あの青い空の波の音が聞えるあたりに

何かとんでもないおとし物を

僕はしてきてしまったらしい

 

透明な過去の駅で

遺失物係の前に立ったら

僕は余計に悲しくなってしまった

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読47.こころ

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 こころ

      金子みすゞ

 

おかあさまは

おとなで大きいけれど、

おかあさまの

おこころはちいさい。

 

だって、おかあさまはいいました、

ちいさい私でいっぱいだって。

 

わたしは子どもで

ちいさいけれど、

ちいさいわたしの

こころは大きい。

 

だって、大きいおかあさまで、

まだいっぱいにならないで、

いろんなことをおもうから。

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

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