そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

詩の朗読10. 朝のリレー

 

 

 静かに  

 ゆっくりと   

 言葉を声に出してみましょう。  

 

 

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  朝のリレー

             谷川俊太郎

 

カムチャツカの若者が

きりんの夢を見ているとき

メキシコの娘は

朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が

ほほえみながら寝がえりをうつとき

ローマの少年は

柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている

 

ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

 

 

 

 

   おやすみなさい

 

 

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