そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

詩の朗読51. ふしぎ

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 ふしぎ

       金子みすゞ

 

わたしはふしぎでたまらない、

黒い雲からふる雨が、

銀にひかっていることが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

青いくわの葉たべている、

かいこが白くなることが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

たれもいじらぬ夕顔が、

ひとりでぱらりと開くのが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

たれにきいてもわらってて、

あたりまえだ、ということが。

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読50. 母をおもう

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 母をおもう

         八木重吉 

 

けしきが

あかるくなってきた

母をつれて

てくてくあるきたくなった

母はきっと

重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだろう

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

詩の朗読49. 自分を贈る

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 



 自分を贈る

          谷川俊太郎

 

母の日に 花を贈るのを忘れてもいい

母の日には あなた自身を贈ればいい

あなたが誕生した日

母はあなたに世界を贈ってくれた

この世界のどこかでずっと

母はあなたとともに生きている

たとえいま母と不和でも 卑下することはない

あなたはあなたを生きている

母の日には花も言葉もなくていい

これまでもこれからも あなた自身が

かけがえのない贈り物なのだから

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

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