そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

詩の朗読52. 空の青さを見つめていると

 

 
 静かに

 ゆっくりと

 言葉を声に出してみましょう。

 

 

 

 

 

 空の青さを見つめていると

                     谷川俊太郎 

 

空の青さをみつめていると

私に帰るところがあるような気がする

だが雲を通ってきた明るさは

もはや空へは帰ってゆかない

 

陽(ひ)は絶えず豪華に捨てている

夜になっても私達は拾うのに忙しい

人はすべていやしい生れなので

樹のように豊かに休むことがない

 

窓があふれたものを切りとっている

私は宇宙以外の部屋を欲しない

そのため私は人と不和になる

 

在ることは空間や時間を傷つけることだ

そして痛みがむしろ私を責める

私が去ると私の健康が戻ってくるだろう

 

 

 

 

 おやすみなさい

 

 

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