そしてかぜまかせ

日々穏やかに過ごすために心を落ち着かせよう

2022-01-01から1年間の記事一覧

詩の朗読11. 旅情

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 旅情 石垣りん ふと覚めた枕もとに 秋がきていた。 遠くから来た、という 去年からか、ときく もっと前だ、と答える。 おととしか、ときく。 いやもっと遠い、という。 では去年私のところにきた秋は何なの…

詩の朗読10. 朝のリレー

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 朝のリレー 谷川俊太郎 カムチャツカの若者が きりんの夢を見ているとき メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき ローマの少年は 柱頭を染め…

詩の朗読9. 祝福

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 祝福 谷郁雄 百年前 あなたはいなかった 百年後 あなたはもういない 木が葉っぱを 茂らせたり 散らせたり するのと同じように あなたは 嘘をついたり 恋をしたり いろいろと忙しい 幸せとは ただそこにいる…

詩の朗読8. あしあと

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 あしあと マーガレット・F・パワーズ ある夜、わたしは夢を見た。 わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。 暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。 どの光景にも、砂の上にふたりのあし…

詩の朗読7. 日々草

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 日々草 星野富弘 今日も一つ 悲しいことがあった 今日もまた一つ うれしいことがあった 笑ったり 泣いたり 望んだり あきらめたり にくんだり 愛したり ・・・・・・・・ そして これらの一つ一つを 柔らか…

詩の朗読6. 落ちこぼれ

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 落ちこぼれ 茨木のり子 落ちこぼれ 和菓子の名につけたいようなやさしさ 落ちこぼれ 今は自嘲や出来そこないの謂 落ちこぼれないための ばかばかしくも切ない修行 落ちこぼれこそ 魅力も風合いも薫るのに 落…

詩の朗読5. 見えない木

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 見えない木 田村隆一 雪のうえに足跡があった 足跡を見て はじめてぼくは 小動物の 小鳥の 森のけものたちの 支配する世界を見た たとえば一匹のりすである その足跡は老いたにれの木からおりて 小径を横断…

詩の朗読4. 雨ニモマケズ

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 雨ニモマケズ 宮沢賢治 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋(いか)ラズ イツモシヅカニワラッテヰル 一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ ア…

詩の朗読3. 生きる

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 生きる 谷川俊太郎 生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木もれ陽がまぶしいということ ふっと或るメロディーを思い出すということ くしゃみをすること あなたと手…

詩の朗読2. どうしてだろうと

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 どうしてだろうと まど みちお どうしてだろうと おもうことがある なんまん なんおくねん こんなに すきとおる ひのひかりの なかに いきてきて こんなに すきとおる くうきを すいつづけてきて こんなに …

詩の朗読1. わたしと小鳥と鈴と

静かに ゆっくりと 言葉を声に出してみましょう。 わたしと小鳥と鈴と 金子みすゞ わたしが両手を広げても お空はちっとも飛べないが 飛べる小鳥は私のように 地面(じべた)をはやくは走れない わたしがからだをゆすっても きれいな音は出ないけど あの鳴る…

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